おはようございます。
ゴールデンウィーク、皆さんは如何お過ごしでしょうか?
ひまわりクラブでは、明日からの3日間、信州でお茶会と信州故郷料理研修が開催されるとのご案内をいただきました。五井野博士のご講演もあるとのこと、私は残念ながら仕事の都合で参加できませんが、精神と肉体に直接響き渡るお話がお聞きできるものと思います。
さて、前回のメルマガの続きですが、日本のビジネスの基本精神として、「モノづくり」と「おもてなし」という言葉があるのはご存知かと思います。実は、日本の経済を根本から支えてきたものは、この二つの言葉にあると言っても過言ではありません。
とはいえ、この二つの概念を文化の異なる国の人々に説明するのは困難です。中国のある大学で日本経済について講義を行ったとき、この言葉をうまく中国語に翻訳できず難儀したことがありました。言葉として表だけをとらえれば「モノづくり」は「製造」、「おもてなし」は「服務(サービス)」と言えなくもありませんが、それでは真の意味するところは伝わりません。そこで、高級通訳の資格を持つ当協会の職員に聞いたところ、一般に新聞やニュースなどでは、「モノづくり」は「用心造物」、「おもてなし」は「誠心接待」という言葉が使われていることが分かりました。しかし、私自身ピンとはきませんし、そう感じる人も多いかと思います。つまり、この二つの概念は言葉として表せるものではなく、心で感じるものなので、どんなに言葉で説明しようとしてもできないのです。
ましてや西洋的概念で"manifacturer"は第二次産業、"service"は第三次産業などとビジネスの形式を分類するようでは、到底この二つの概念を理解することはできません。「モノづくり」には、作る職人の誇り、自信、責任があるのと同時に、使う人に対する配慮が含まれているわけで、「おもてなし」の精神がなければ「モノづくり」ではありません。逆も然りで、「おもてなし」には「モノづくり」で作られた食器や料理が欠かせないのです。つまり、この二つの概念は表裏一体であり、両方が揃ってはじめて完成される日本の文化そのものなのです。
この二つの概念を用いて完成された文化こそが、日本の江戸時代であったのです。これについては、引き続き本メルマガでお伝えしていきたいと思います。
高見澤
2016.5.2