「おもてなし」の原点?「江戸しぐさ」は史実か?

 

おはようございます。

昨日は、地下鉄銀座線で線路のレールが折れる事故がありました。私も毎朝銀座線を使って出勤していますが、朝早かったので、運行見合わせの影響を受けずに職場に着くことができました。

連休中の交通事故や最近の落下物による大きな事故など、嫌なニュースが続いています。ここにきて、日本という国に何らかの変化が生じているのは確かです。このようなときに、自分自身がどう行動するかが大事です。驕らず、謙虚に自分に与えられた課題を一つ一つクリアしていくよう努力あるのみだと思う次第です。

 

さて、昨日本ブログで紹介した「おもてなし」ですが、その精神が江戸と大きくかかわりがあると述べました。そのかかわりというのが、実は「江戸しぐさ」の精神なのです。

 

最近、「江戸しぐさ」に関する歴史的証拠はなく、史実ではなかったとの議論が繰り広げられていることは私も承知しています。確かにこの「江戸しぐさ」という言葉自体に疑問があるのは確かです。本来、人々に公共心や道徳心があれば、道の歩き方や立ち方、人との接し方などは、人に不愉快な思いをさせないような姿勢が自ずと出てくるものです。それが人として当たり前のことなのです。

 

私自身がこれまで勉強したなかで、江戸時代は理想社会であったと思える証拠がたくさんありました。「江戸しぐさ」という言葉ではなくとも、現代よりは人に対する思いやりがはるかにあったのではないでしょうか。いや、きっとあったに違いありません。幕末に日本を訪れた欧米人の記録〔(『逝きし世の面影』(平凡社 2005/9 渡辺京二著)〕をみれば、その事実を伺い知ることができます。つまり「江戸しぐさ」の史実性に対する議論はさておき、実際に江戸の人たちが、生活や仕事のなかで、人とどう係っていたのかという真実こそが大事なのです。

 

江戸時代にあったと思われる人に対する思いやりこそが、この「おもてなし」の原点ではないかと思う次第です。

 

高見澤

2016.5.10

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このページは、東藝術倶楽部広報が2016年5月10日 14:47に書いたブログ記事です。

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