東藝術倶楽部瓦版 20160622 :ゾンビ

 

おはようございます。今朝の東京は曇り、天気予報では午前中に雨が降り、午後からは再び曇りとなっています。比較的過ごしやすい天気ですが、やはり歩くと多少なりとも蒸し暑さを感じます。

さて、本日は「ゾンビ」についてお話をしたいと思います。

日本では最近「スマホゾンビ」という言葉が使われるようになりました。街を歩くと、スマホをみながら歩く人が多く、回りをほとんど見ていません。電車や地下鉄の駅では気付かずに、駅のホームから転落する者もいるようです。そこまで夢中になる意味がどこにあるのでしょうか?

はっきり言って、私には全く理解できない行動です。正直なところ、無意識というか、ほとんど思考が停止した状態で機械的にとっている行動ではないかと思うのです。つまり、意識がない、だから「ゾンビ」だと言われるのでしょうね。

 

「ゾンビ」とは英語の"zombie"から来ています。死体が何らかの力を受けて蘇り、歩き回り、次々に人を襲うといったホラー映画によく出てきますね。その"zombie"の語源は、昔アフリカのコンゴで信仰されていた不思議な力を持つ神「ンザンビ(nzambi)」だと言われています。

 

中国にもゾンビに相当する妖怪がいます。死体が何年も腐らずに動き回る妖怪で、「殭屍(jiangshi)」と言われています。一時、日本でも「キョンシー」という香港映画が話題になりましたが、殭屍を広東語で発音したものです。

現在中国では、「ゾンビ企業(殭屍企業)」なる会社が数多く存在しており、中国のさらなる改革開放や経済発展を阻害する要因になっています。ゾンビ企業とは、すでに何の生産性も生まず、経営が赤字続きでまったく機能していないのに、政府や親会社からの資金供給で存在している会社や工場を指します。

中国で問題となっている過剰生産設備を抱えた鉄鋼業、石炭産業にその多くがみられ、それらゾンビ企業を淘汰すると全体で600万人、その中で鉄鋼と石炭分野だけで180万人の失業者が生まれると言われています。これだけの失業者が一挙に街中に放り出されると、人口13億人を抱える中国でもさすがに大混乱を引き起こすことは間違いありません。ですから、そう簡単にゾンビ企業を退治(淘汰)できない事情がそこにあり、中々構造改革が前に進まないのです。

 

日本の街中に出没するゾンビはスマホゾンビだけではありません。歩道を行き交う人がいるのに、平気で歩道の真ん中に立って邪魔になる者、駅の改札のど真ん中で定期やスイカを探している者、電車やエレベータのドアの前に立って乗り降りする人に気遣いをしない者など例を挙げたらきりがありません。本当に何も考えていない、考えられない、考えたくないといった意識のない者たちばかりです。まさにゾンビと言うに相応しいとは思いませんか? 少なくとも江戸時代には考えられなかった現象ではないかと思います。

 

高見澤

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このページは、東藝術倶楽部広報が2016年6月22日 21:13に書いたブログ記事です。

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