東藝術倶楽部瓦版 20160722 :江戸の料理革命-主食編その①

 

おはようございます。

東京は二日続けての雨日和です。今は大分小降りになっていますが、傘は手放せません。

来週26日(火)から29日(金)まで、北京出張です。先日の五井野博士の講演会で、中国との関係が厳しくなっているとのご指摘もあり、憂慮するところですが、取り敢えず仕事なので行ってきます。

また、瓦版も一時お休みすることになります。出張中は朝から晩まで、食事を含め打ち合わせや会議、面談が入っていますので、中々時間がとれません。ご容赦ください。

 

さて、昨日まで調味料についてお話ししてきましたが、「さ、し、す、せ、そ」の調味料のほとんどが、江戸時代に庶民にも愛用させるようになったことがお分かりいただけたかと思います。それはつまり、江戸が食の面で如何に豊かであったかを証明する明確な証拠であると言えます。しかも当時は、石油から作る添加物などなく、すべてが自然の恵みによって出来上がる完全無農薬・完全有機栽培の「グリーン食品」でしたから、現代からすれば、何と贅沢な食生活であったのか...ということになります。

 

このように歴史を紐解いてみると、江戸時代に大きな料理革命が起きています。これまでお話ししたように調味料の多様化ばかりでなく、主食である米の精米による白米食、外食産業の発展、酒などの嗜好品の流行など、こうした習慣が一般庶民の間に広まったことが、何よりも驚きなのです。おそらく同時代の西洋では考えも及ばないことだったのではないでしょうか。

 

普段我々日本人が何気なく食べている主食の米ですが、この地球の人々、就中日本人にとってこれほど適した主食はないと考えられます。その理由は機会を設けてご紹介しますが、世界では他にも主食となる作物として、小麦やトウモロコシ等の穀物、ジャガイモやサツマイモ等の芋類、大豆等の豆類などがあります。日本では、昔からご飯を主食として食べてきていますが、欧米ではパンやシリアルなどがよく食べられています。

以前も紹介したと思いますが、中国の北側では小麦を使った「マントウ」や麺、南側では米をそのまま食べたり、ビーフン(米線)にして食べたりしています。ちなみに、中国で「餃子」は主食ですから、ご注意ください。

 

中国でいう餃子は、一般的には「水餃子」のことを指します。日本のような焼き餃子は「鍋貼」と言われますが、これもまた主食としての取り扱いです。ですから、「餃子定食」を見ると、多くの中国人はびっくりします。そして、それ以上に驚くのが「ラーメンライス」です。ラーメンも主食、ライスも主食、さらに「ラーメンライス餃子」なんて言ったら、すべてが主食ばかりでおかずが一つもない...。習慣というのは恐ろしいもので、腹を見ながらカロリー過多になっている自分に気付く、今日この頃です。

 

高見澤

2021年1月

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このページは、東藝術倶楽部広報が2016年7月22日 12:46に書いたブログ記事です。

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