東藝術倶楽部瓦版 20161003 :醸造酒と蒸留酒、そして混合酒

 

おはようございます。

ここ東京は、大分秋らしくはなってきていますが、まだまだ暑い日が続いています。太陽活動の活発化に合わせて、地球も防衛体制を整えているのがその主な原因で、決して二酸化炭素排出が主要な原因ではないとの説がありますが、私自身はそちらの説を信じています。

 

さて、昨晩、黒木さんから1112日の勉強会のご案内が皆様に届いたかと思います。テーマについては、黒木さんと相談中です。決まり次第、改めてご案内させていただきます。久しぶりの勉強会で、私もわくわくしている次第です。ぜひとも多くの方のご参加をお待ちしています。

 

さて、今回は「お酒」のお話をしようと思いますが、江戸の酒に入る前に、少しお酒の基礎知識を学んでおきましょう。

お酒は製造方法によって3種類に分かれます。一つは「醸造酒」、もう一つが「蒸留酒」で、ここまでは皆さんも聞いたことがあると思います。そして三番目が「混合酒」です。

 

先ずは醸造酒です。これは基本となるお酒で、米や麦などの穀物やブドウなどの果物を醸して作ります。起源は古く、紀元前3000年頃の古代メソポタミアや古代エジプトにも記録が残されているようです。

ブドウなどの果実を放置しておくと、自然に泡が発生し、数日後にはアルコールが蓄積していることがあります。これはブドウの果皮に付着していた「酵母」がブドウに含まれる糖に作用して起こる自然現象です。この酵母は、酵母菌と呼ばれる「菌」の一種です。ワインの場合、この酵母が果実中の糖分を炭酸ガスとアルコールに分解してエネルギーを得ており、この酵母が活動することによりアルコールができてしまうという仕組みです。これを「発酵(アルコール発酵)」と呼んでします。

ところが、この酵母はデンプンを糖に分解する力は持っていないため、デンプン状態のままで糖分を保有している米や麦などは、糖化酵素(アミラーゼ)を持つ「麦芽(モルト)」やデンプンを糖に分解する「麹」を使って、デンプンを糖に分解します。この糖を酵母によって発酵することで、アルコールが作られることになります。このアルコールを熟成、ろ過して作られるのが「醸造酒」なのです。

もちろん、美味しいお酒を造るためには、このほかに様々な工程や工夫がありますが、それこそが職人の業(わざ)となります。この醸造酒には、ワイン、ビール、清酒(日本酒)、老酒(黄酒、紹興酒)などがあります。

 

次に蒸留酒です。これは簡単にいえば醸造酒に蒸留工程を加えて造ったお酒です。お酒をさらに蒸留するのですから、醸造酒に比べアルコール度数が高くなります。中国には70度を超す白酒(バイジュウ)もあります。

お酒を蒸留するための蒸留機は、古代ギリシアの哲学者アリストテレス(紀元前384322年)によって初めて記録に残されており、ブランデーを造っていたとの記録もあるようです。この蒸留技術がアレクサンダー王の征服戦争によって世界各国に広められ、その後、中世の錬金術師たちが洗練したものとしたそうです。一方、アジアでの蒸留酒の起源は、中国の雲南省一帯といわれています。

この蒸留酒には、ウィスキー、ブランデー、焼酎、泡盛、白酒、ウォッカ、テキーラ、ジンなどがあります。

 

最後は混合酒です。これは醸造酒や蒸留酒を原料に、草根木皮、薬草、香味、果実、糖分などを配合したお酒です。いわゆる「リキュール」というお酒です。梅酒、果実酒、薬酒などがこれに属します。

 

醸造酒は自然発酵を旨とするため、アルコールといっても複数の成分が入っています。それに対し蒸留酒は単一のアルコール成分しか入っていないために、二日酔いにはなり難いといった説もあるようです。私自身、アルコールは大の苦手ですが、醸造酒にせよ蒸留酒にせよ、美味いお酒を飲んだ後であれば、二日酔いにはならなかったと思います。いずれにせよ飲み過ぎは禁物ですが、できる限り伝統的な自然発酵で造られ、添加物のない昔ながらのお酒を嗜む程度であれば問題ないかと思います。

 

高見澤

2021年1月

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このブログ記事について

このページは、東藝術倶楽部広報が2016年10月 3日 22:50に書いたブログ記事です。

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