おはようございます。今年も残すところあと10日余りとなりました。
今年は特に忙しく、いまだに年賀状を書く時間もありません。この土日も、結局パソコンの前で原稿書きや資料作成に追われ、満足に外へも出られませんでした。このままだと、年末の大掃除もどうなることやら...
さて、皆さんは「天地明察」という映画をご覧になったことはありますか? 元は冲方丁(うぶかたとう)の時代小説を映画化したものですが、主演はV6の岡田准一、監督は滝田洋二郎で、江戸時代の天文暦学者・渋川春海の生涯を描いたものです。
この渋川春海は、それまで使われていた中国の「宣明暦(せんみょうれき)」に変えて、新たな日本独自の最初の暦(大和暦)である「貞享暦(じょうきょうれき)」を考案した人として知られています。
ここでもお分かりのように、江戸時代には新たな暦が生まれ、またそれが発展するという偉大な変革が起きたのです。まさに「江戸の暦革命」とも言える大事件です。本日からまたしばらくの間は、「江戸の暦」をテーマに色々とご紹介していきたいと思います。
そこで、先ずは江戸の暦革命に入る前に、少し「暦」について基礎知識を学んでおきましょう。
現在世界中で使われている暦は新暦と言われる「グレゴリオ暦」です。このグレゴリオ暦は欧州において西暦1582年に採用された暦で、改暦を断行したローマ法王グレゴリウス13世にちなんで名づけられました。それ以前は1600年もの長きにわたり、ユリウス暦が使われていました。
日本において、このグレゴリオ暦が採用されたのは明治6年(1873年)のことです。明治5年12月3日を明治6年1月1日として、それまでの「天保暦」(旧暦)からグレゴリオ暦(新暦)への切り替えが行われました。
このグレゴリオ暦と天保暦の一番の大きな違いはというと、グレゴリオ暦が「太陽暦」であるのに対し、天保暦をはじめとするそれまでの日本の暦は「太陰太陽暦」であるということです。
さて、この太陽暦、太陰太陽暦とはいったいどのようなものなのでしょうか。実は、このほかにも「太陰暦」という暦法もあります。これらについては、次回の瓦版でご紹介したいと思います。
高見澤