東藝術倶楽部瓦版 20170217:科学的か迷信か?-暦注その3「八将神」

 

おはようございます。いや~マイリマシタ!昨日作成した瓦版が、どういう訳かhotmailの異常で送信時にすべて消えてしまい、幻の瓦版となってしまいました。このシステムの不具合にも困ったものです。その幻の瓦版を復活させる気力も時間もないので、追々瓦版をお届けする際に、情報を入れ込むようにしたいと思います。

 

そこで本日お届けする話題は、暦注として記載される「八将神(はっしょうじん)」についてです。この八将神というのは、「方位神」の一つ(正確には8神)として数えられます。方位神は九星術に基づいてそれぞれの方角に配置される神のことを指し、毎年十干や十二支などに従って移動する神もあれば、方角に固定されている神もいます。移動する神では、「恵方巻き」の語源となっている「歳徳神(恵方)」など、固定されている神では「鬼門」などの神がいます。

方位神には、その神が配置される方角が吉とされる「吉神」と、逆に凶とされる「凶神」がいます。歳徳神は吉神、鬼門は凶神に属します。

 

さて、それでは「八将神」とはいったいどのような神なのでしょうか?

九星術ですから、当然陰陽道とも深く関係してきます。民間伝承では牛頭天王の「八王子」ともいわれます。東京の八王子市の語源はここからきています。吉神か凶神かと問われれば、その両方の要素を有していますが、全体としては凶神の要素が強いように思われます。また、八将神といわれるくらいですから、当然8人の神様がいます。

 

太歳神(たいさいしん):太陰神の夫とされ、本地仏は薬師如来。十二支の方位に居し、木曜星(歳星)の神格を有する。移転・普請は吉、訴訟・伐木は凶。

 

大将軍(たいしょうぐん):魔王天王と呼ばれる大鬼神で、本地仏は他化自在天。3年同じ方位に留まり、金曜星(太白)の神格を有する。万事に大凶。

 

太陰神(たいおんしん):太歳神の后で、本地仏は聖観音菩薩。十二天将の1柱でもあり、土曜星(塡星)の神格を有する。縁談・出産は凶。

 

歳刑神(さいぎょうしん):本地仏は堅牢地神。殺罰や刑殺を司り、水曜星(辰星)の神格を有する。耕作・移転は凶。

 

歳破神(さいはしん):太歳神と反対の方位に在位し、本地仏は河伯大水神。土曜星(塡星)の神格を有する。移転・旅行は凶。

 

歳殺神(さいさつしん):大将軍と関係があるとされ、本地仏は大威徳明王。殺気を司りすべてを滅ぼすとされ、金曜星または火曜星(熒惑星)の神格を有する。縁談、移転、訴訟は凶、仏事は吉。

 

黄幡神(おうばんしん):兵乱の神で、九曜の一つである羅睺(らごう:ラーフ)を奉った神。村の守り神として信仰される一方、災害をもたらす神として恐れられた。移転・普請は凶。

 

豹尾神(ひょうびしん):天宮神(女神)を伴い、本地仏は三宝荒神。豹のように猛々しく、計都星の神格を有する。不浄を嫌い、家畜を求めること、大小便に凶。

 

以上、八将神をそれぞれ紹介しましたが、暦注においてこの八将神は、歳徳神や金神(こんじん)と並んで非常に重要な意味を持っています。基準となるのが太歳神で、常にその年の十二支の方角に位置し、それに対応した形で他の七神が配置されます。

八将神を含む方位神ですが、古来暦の暦注に記されてきました。金神などは平安時代末期から流行しはじめましたが、暦には記されていなかったようで、記されるようになったのは江戸時代の貞享暦からだったとのことです。

 

これもまた「当たるも八卦、当たらぬも八卦」といったところでしょうか。

 

高見澤