東藝術倶楽部瓦版 20170220 :科学的か迷信か?-暦注その4「十二直」

 

おはようございます。今朝の東京は晴れ、週末は少し冷え込みましたが、今朝は比較的暖かく感じます。これから春に向けて花粉が飛ぶ季節になります。昔は花粉症などという症状はなかったと思いますが、放射能や化学物質によって抵抗力が激減し、従来にはない病気が増えているようにも思えてなりません。できるだけ自然の物を撮るようにしたいものです。

 

さて、今日もまた暦注のご紹介をしたいと思います。本日のテーマは「十二直(じゅうにちょく)」です。

十二直は、現代人にはあまり馴染みがないと思いますが、実は飛鳥時代から昭和の初め頃までは、六曜や九星よりもこの十二直で日々の吉凶を占うのが一般的でした。頒暦では暦の中段に記されるため、「中段」とも称されます。

 

北極星を中心に一回りする北斗七星は、古代人にも神秘な存在としてみられていたのかもしれません。この十二直は方位(子→北、丑寅→北東、卯→東、辰巳→南東、午→南、未申→南西、酉→西、戌亥→北西)と北斗七星の回転を結び付けたものです。

 

十二直には以下のものがあります。

建(たつ):中吉。物事始めは良き日、土を動かすは凶

除(のぞく):小吉。種まき・掃除・治療に良き日、婚礼・旅行は凶

満(みつ):大吉。万物満ち溢れる日なれど何事も控えめに、移転・旅行・婚礼に吉

平(たいら):大吉。万物公平に分け与える日、すべてに吉、特に婚礼は大吉

定(さだん):小吉。物事定まる日、種まき・移転・婚礼・売買に吉、訴訟・旅行に凶

執(とる):小吉。万物裁決の日、婚礼・種まき・造作に吉、旅行・財産整理に凶

破(やぶる):大凶。戦えば必ず傷つく日、契約・交渉・相談に凶、特に婚礼は大凶

危(あやぶ):大凶。危険伴う大凶の日、開店・開業は厳禁、祝い事・祭礼に吉

成(なる):小吉。物事成功の日、婚礼・開店・種まき・普請に吉、特に結納は大吉

収(おさん):小吉。万物取収める日、穀物取入・買物・新築に吉、婚礼・見合いに凶

開(ひらく):小吉。開運の日、入学・開業・造作・婚礼・出張に吉、葬式に凶

閉(とず):凶。万事に悪い日、但し墓造り・池の埋立は吉

この順番を覚えるために「十二直、このかしら字を覚ゆべし、たのみたさとやあなおひと」という歌もあったそうです。

 

十二直の始まりは「建」です。旧暦11月の冬至の頃に北斗七星の柄杓の柄の部分が真北、即ち「子の方角」に向くため、この日を「建子」の月とします。そこで十二節気の節月を組み合わせ、旧暦11月節、即ち「大雪」の後の最初の「子の日」を「建」と定めるのです。「建」は、12月節「小寒」の後の最初の「丑の日」、1月節「立春」の後の最初の「寅の日」というように配置します。そうすると、節月の始まりの日に前日の十二直を繰り返します。これによって、1年経つと順々にずれた十二支が元の組み合わせに戻ることになります。単純に十二直を繰り返すのではなく、節気ごとに少しずつずれていくところに神秘性があったのかもしれません。

 

高見澤