おはようございます。
今月に入り、年度末ということもあって、仕事が多忙を極めています。本日も午後から北京出張で、国務院発展研究センター主催の「中国発展ハイレベルフォーラム」に参加するため、3連休がまるまる潰れてしまいます。21日の朝便で戻ってきますが、振休など取る余裕もありません。しばらく、瓦版も不定期になりますので、ご了承ください。
さて、本日は「十干」についてご紹介したいと思います。十干は「干支」の「干」の方です。「支」は「十二支」であることが分かるかと思います。
十干は、甲(こう)、乙(おつ)、丙(へい)、丁(てい)、戊(ぼ)、己(き)、庚(こう)、辛(しん)、壬(じん)、癸(き)の10要素から成っています。これに、陰陽五行説の「五行」である木(もく)、火(か)、土(ど)、金(こん)、水(すい)が配当され、それぞれ陽である「兄(え)」と、陰である「弟(と)」を当てはめます。それで構成されるのが「十干」というわけなのです。それぞれの読み方は以下の通りになります。
甲:木(き)+兄(え)→きのえ
乙:木(き)+弟(と)→きのと
丙:火(ひ)+兄(え)→ひのえ
丁:火(ひ)+弟(と)→ひのと
戊:土(つち)+兄(え)→つちのえ
己:土(つち)+弟(と)→つちのと
庚:金(かね)+兄(え)→かのえ
辛:金(かね)+弟(と)→かのと
壬:水(みず)+兄(え)→みずのえ
癸:水(みず)+弟(と)→みずのと
ここでお気付きになった方もいると思いますが、「えと」はもともと「兄(え)弟(と)」を指しているので、十二支を「えと」と呼ぶのは厳密に言えば間違いなのです。五行の「木、火、土、金、水」の順番ですが、「土」を「地球」とすれば、木星、火星、地球、金星、水星と太陽から遠い惑星の順になっていて、覚えやすくなっています。そして、この十干に「十二支」を組み合わせると「六十干支」が出来上がるというわけです。江戸時代などでは、一般的にこの六十干支によって年を示すことが多かったのです。
この十干ですが、これもまた中国から伝わったもので、紀元前17世紀から紀元前11世紀に栄えた「商朝」時代には甲骨文字として既に使われていたことが、当時の遺跡から発掘されたものから証明されたいます。
先に陰陽五行説があり、それに「十干」の文字がそれぞれ当てはめられていったものと私は推測しています。
高見澤