東藝術倶楽部瓦版 20170411 :江戸を学ぶ際の格好の教材-歳時記

 

おはようございます。今朝の東京は小雨が降っています。昨日に続いて寒く感じますが、確実に春が訪れている感じを受けています。

 

ところで、我が日本の気候の一番の特徴は「春夏秋冬」の四季がはっきりしていることです。北京では春と秋はそれぞれ1~2週間ほどしか感じられず、昨日まで寒かったかと思うと、今日からは急に暑くなるなど、冬と夏しか季節がないのかと思ってしまうほど、極端な気候に戸惑いを感じざるを得ませんでした。

 

こうしたはっきりした季節の面白さや厳しさを感じることができるからこそ、日本では1年を通して年中行事を楽しむことができたのかもしれません。「花鳥風月」や「雪月花」といった言葉は、まさに自然そのものに楽しみや美しさを感じる日本人が生み出したものかもしれません。

 

日本には、「歳時記(歳事記)」というものがあります。これは、元々は宮廷で年中行事や有職故実(ゆうそくこじつ:儀式や法令、服飾などに関する規則や習慣)を記したものですが、江戸時代以降は、俳句の季語を季節ごとに分類し、例句とともに解説を付けた書を指します。今日は、先ずは年中行事に入る前に、歳時記について少しお話ししたいと思います。

 

歳時記は元々中国から伝来したものと言われています。現存するものとしては、6世紀の荊楚地方(現在の湖北・湖南省)の年中行事を記した『荊楚歳時記』があり、これが奈良時代に日本に伝わり、「歳時記」という呼称が知られるようになりました。日本では、江戸時代の儒学者・貝原益軒とその養子である貝原好古が貞享5年(1688年)に著した『日本歳時記』が有名です。

 

昔の歳時記は、年中行事表であるとともに、季節を表す「季節暦」でもあったわけです。江戸を勉強するに当り、歳時記は浮世絵とともに格好の教材だと言えましょう。

 

高見澤

2021年1月

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このページは、東藝術倶楽部広報が2017年4月11日 12:05に書いたブログ記事です。

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