おはようございます。今朝の東京は薄曇りながら日の光が差し込んで、比較的気持ちの良い朝になっています。
さて、今日のテーマは「小正月」です。旧暦1月1日を「大正月(おおしょうがつ)」というのに対し、正月15日を「小正月(こしょうがつ)」と呼んでいます。大正月は男性中心の行事が続き、「松の内」は女性が休む暇もないほど忙しく働かなければなりません。そこで、松の内が過ぎた15日に女性が年賀に出向いたり、この日に女性だけが集まって飲食や娯楽に興じる風習があったので、別名「女正月(おんなしょうがつ)」とも呼ばれています。
1月1日というのは暦の上での年初です。古来日本では、中国から伝来した立春正月思想が一般的で、その立春が1月1日になるとは限りません。また、日本には「望」、すなわち満月の日(旧暦15日)を正月として祝う風習があり、小正月はその名残だとも言われています。
中国では今でも旧暦1月1日を「春節」として盛大に祝います。現在の公休は3日間で前後の土日を調整して7日間の連休にしていますが、元来正月が終わるのは15日の「元宵節」で、それまでの間はゆっくり休むが一般的な習慣です。15日には「団圓」や「元宵」と呼ばれるお団子のような食べ物を食べて正月最後の日を祝います。
江戸時代は、年神様や先祖を迎えるのが大正月、家庭的な行事を行うのが小正月として、夏の盆と同様に大切な節目になっていたようです。また、大正月に門松を飾るのに対し、小正月には餅や団子を小さくまるめて柳などの木の枝につけた「餅花(もちばな)〔繭玉(まゆだま)〕」などを飾りました。これは豊作の「予祝(よしゅく)」の大切な行事でもあったので、「花正月」とも言われています。
日本では、小正月の麻には「小豆粥」を食べる習慣があります。また、「どんど焼き」と呼ばれる正月飾りや古いお札などを燃やす行事が神社などで行われます。江戸時代の農民は、大正月よりも小正月の方を本来の正月として祝っていたようです。
高見澤