おはようございます。ここ数日は夏を思わせるような暑い日が続いています。もっとも暦の上では既に夏ですが、それにしても5月にしてこの暑さは異常かもしれません。
さて、本日は二月の和風月名、「如月(きさらぎ)」についてご紹介したいと思います。如月の語源については、実のところよく分かっていません。中国最古の字書とされる紀元前2世紀頃に成立された『爾雅(じが)』の「釈天(しゃくてん)」編に「二月を如となす」とあり、これが中国での二月の異称であることに由来しているとも考えられます。しかし、「如月(じげつ)」と「キサラギ」の呼び名がどう結び付くのかはまったくもって分からないのです。
如月は「衣更着」とも書きます。『竹取物語』に「きさらぎ十日頃...」とあるようですが、「キサラギ」が古代においては極めて用例が少なく、その意味するところもほとんど分かっていません。また、『日本書紀』では、「二月」と書いて「キサラギ」と訓ませているので、「如月」や「衣更着」などの当て字は、かなり後世になってからだと考えれます。
このキサラギという呼び名の由来には諸説あります。二月はまだ寒さが残っているので衣(きぬ)を更に重ね着するので「きぬさらにき月」といったのが短くなり「衣更着」になったという説。草木の芽の張り出す月、すなわち「草木張月(くさきはりづき)」が「きはりづき」→「きさらづき」→「きさらぎ」となったという説。旧暦二月はツバメが来る季節なので、前の年の雁に続いてツバメが来たという意味で「来更来(きさらぎ)」という説。陽気が発達する時期だから「気更来」など、ここまで来ると言いたい放題、とったところです。
ちなみに、「草木張月」は江戸中期の国学者である賀茂真淵の主張です。次回からは二月の年中行事について紹介していきたいと思います。