東藝術倶楽部瓦版 20170627 :七段飾りー江戸時代以降の一般的な壮麗な飾り方

 

おはようございます。ここ数日、やっと梅雨らしい天気になりましたが、各地で土砂災害などの恐れも高まっているので、注意が必要です。

 

さて、本日も前回に続き雛人形について紹介していきたいと思います。今回は雛人形の飾り方です。飾り方には大きく分けて3通りあります。

① 親王飾り:最上段の男女一対となる親王だけを飾る。

② 七段飾り:人形が15人揃った段飾り。

③ 五人飾り:親王に三人官女を加えた段飾り。二段、または三段飾り。

 

ここでは、「七段飾り」について説明しておきたいと思います。七段のそれぞれの意味が分かれば、「親王飾り」も「五人飾り」も自動的に理解することになるからです。では、なぜ七段なのかというと、 古来、「七」と言う数字は縁起が良いとされてきたからです。この七段飾りは江戸時代以降の一般的な段飾りとして最も壮麗な飾り方とされ、別名「十五人飾り」とも呼ばれています。一段目から五段目に置かれる飾り(人形)はそれぞれ以下の通りです。

一段目:親王

二段目:三人官女(さんにんかんじょ)

三段目:五人囃子(ごにんばやし)

四段目:随身(ずいしん)

五段目:仕丁(じちょう)

 

·  七段飾りの一段目は「内裏雛」です。男雛(おびな)と女雛(めびな)の一対からなり、親王と親王妃を表しています。「お内裏様」、「お雛様」とはどちらもこの一対の男雛と女雛の両方を指しています。男雛は立纓(りゅうえい)と呼ばれる冠を戴いていることが多く、女雛は十二単を着ているのが一般的です。

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二段目は内裏様に仕えてお世話をする女官(侍女)の「三人官女」です。作法、和歌、漢文のたしなみがあるとされ、内一人はお歯黒で眉無しの姿をしています。向かって右から提子(ひさげ)、三方(さんぽう)、長柄(ながえ)の順に飾ります。

 

三段目は能楽の囃子方(はやしかた)を表す「五人囃子」です。向かって右から謡(うたい)、笛、小鼓(こつづみ)、大鼓(おおつづみ)、太鼓の順に並べます。また、能囃子の代わりに「五人雅楽」の楽人を飾るものもあり、同じく右から鞨鼓(かっこ)、楽太鼓、笙(しょう)、篳篥(ひちりき)、横笛の順に並べます。五人囃子は子供姿、五人雅楽は中性的な顔立ちですが、いずれも皆男性です。

 

四段目は、御殿を守る随身です。向かって右が年配の左大臣、左が若者の右大臣です。いずれも武官の姿をしており、近衛中将または少将です。

 

五段目は、内裏様のお供をしたり、庭掃除など御所の雑用をする従者の「仕丁」です。通常は3人1組で、向って右から立傘(たてがさ)、沓台(くつだい)、台笠(だいがさ)の順に飾ります。また、向って右から竹箒、塵取、熊手の順に飾るものもあります。それぞれ怒り、泣き、笑いの表情があり、「三人上戸(さんにんじょうご)」とも呼ばれています。

 

六段目、七段目は人形ではなく、道具の類なので説明は省略します。

 

高見澤