東藝術倶楽部瓦版 20170707 :お水取りと花会式ー綿々と続く「修二会」の儀式

 

おはようございます。今朝の東京も晴れ、また一段と暑くなりそうです。昨晩の都心ではピンポイントでスコールのような雨が降ったようで、職場のある千代田区では雨が対して降らなかったものの、自宅のあるすぐ隣の港区では、一時的でしたがかなり強い雨が降ったということでした。九州北部を中心とした豪雨も心配です。

 

さて、本日の弥生の年中行事として、「修二会(しゅうにえ)」についてご紹介したいと思います。修二会とは、奈良東大寺の二月堂において、天平年間から続けられている伝統的な法会のことです。この始まりは天平勝宝4年(752年)で、東大寺開山良弁僧正(ろうべんそうじょう)の高弟であった実忠和尚(じっちゅうかしょう)によって創始されたと言われています。

 

修二会は「修二月会(しゅうにがつえ)」とも呼ばれ、もともと旧暦2月1日から2週間にわたり行われており、2月に修する法会という意味で修二会という名称がつきました。「二月堂」の名前もこのことに由来しています。ところが、現在では3月1日から2週間にわたり営まれています。

 

修二会も佳境に入る3月13日午前1時半頃には、「若狭井(わかさい)」という井戸から観音菩薩にお供えする「お香水(おこうずい)」を汲み上げる「お水取り」の儀式が行われます。この儀式の行を勤める「練行衆(れんぎょうしゅう)」という僧の道明かりとして、大きな松明(たいまつ)に火が灯されます。このため、修二会のことを「お水取り」、「お松明」とも呼ばれるようになりました。

 

修二会の正式名称は「十一面悔過(じゅういちめんけか)」と言うそうです。「十一面」とは「十一面観音菩薩」のことで、「悔過(けか)」とは人々が生きる上で過去に犯してきた様々な過ちを、本尊の前で発露懺悔(ほつろざんげ)することです。仏教の経典が中国に渡り中国語に訳されたとき、最初は「悔過」と訳されていましたが、後に「懺悔」という言葉が使われるようになりました。ですから、修二会の本来の意味は、我々が日常犯している様々な過ちを、二月堂の本尊である十一面観音菩薩の宝前で懺悔することだったのでしょう。

 

人々の過ちが天災や疫病、動乱などを招くものとして、いわゆる国家の病気として考えられ、そうした病気を取り除いて鎮護国家、天下安泰、風雨順時、五穀豊穣、万民快楽など、国家万民のためになされる宗教行事として行われるようになったようです。

 

この修二会は東大寺二月堂のものが有名ですが、他の寺院でも行われています。奈良の薬師寺では、旧暦の2月末に行われていた修二会が新暦の3月25日から3月31日に掛けて行われるようになり、十種類の造花が本尊の薬師如来に供えられることから「花会式」と呼ばれています。

高見澤