おはようございます。明後日24日から1週間程、中国に出張ですので、来週はメルマガをお送りすることはできません。ご了承ください。今回の出張は北京と広東省の広州及び深圳です。11月に日本経済界の大型訪中代表団の派遣が予定されており、今回はその事前打ち合わせで、北京にある中国の経済官庁(国家発展改革委員会、商務省、工業情報省)及び広東省人民政府の幹部の人たちと会ってきます。今のところ、日中関係は比較的良い方向に進みつつある感じがします。
さて、本日からは8月の年中行事に移りたいと思います。次第に本メルマガのテーマと季節が近づいてきましたね。メルマガをこのままサボらずにお送りできれば、年末までには季節にピッタリの話題が提供できるかもしれません。
8月の和風月名は「葉月(はづき)」です。「八月」が最初に出てくるのは『日本書紀』の「神武紀 戊午年(つちのえうまのとし)」のようで、ここではこれを「はつき」と読ませていますが、『古事記』や『万葉集』には出てこないのが不思議なところです。
この「葉月」の由来は諸説あるようですが、一般には木の葉が黄葉して落ちる月、「葉落ち月」が「葉月」となったという説(『和訓栞』、『奥義抄』)が有力です。江戸時代中期の歌人・似雲(じうん)〔寛文13年(1673年)~宝暦3年(1753年)〕の歌集『年浪草(としなみぐさ)』に、「葉月とは、この月や粛殺の気生じ、百弁葉を落す。ゆえに葉落月といふ。今略して葉月と称す」との説明があります。八月が又の名として「濃染月・木染月(こそめづき)」とも呼ばれていることを考えると、確かにそうなのかもしれません。とはいえ、なぜか古歌に八月を詠み込んだものはなく、もともと「はづき」の「は」が「葉」の意味であったかどうか、今のところ十分に納得できる説はありません。
一方、農事と関連付けて、「穂発・穂張(ほはり)月」の「ほ」と「り」が略されたものとする説(『語意考』、『東雅』)、早稲の花がつく頃なので「花(はな)月」とする説もありますが、これらはかなり無理があるような気がします。また、稲穂の「発月(はりづき)」の意味からきたという説(『大言海』)もあります。
少し変わった説として、この月に初めて雁が来るので「初来月(はつきつき)」とする説(『類聚名物考』)、更には南方より吹く颶風(ぐふう、台風のこと)の多き月として「南風月(はえつき)」が転化したものとする説(『新編日本古語辞典』)があります。
新暦8月はまだ厳しい暑さが残る候ですが、旧暦8月はすでに秋の装いを感じる季節です。時候の挨拶に「葉月の候」というのがあまり使われないのは、季節の変わり目ではっきりした季節感がないからなのでしょうか。
高見澤