東藝術倶楽部瓦版 20171128:恵比寿講のなかにかかるや日本橋ー恵比寿講とべったら市

 

おはようございます。今回の経済界の中国派遣では、表向き日中関係の改善が感じられたところですが、依然として国際関係はきな臭さを覆い隠すことはできません。不透明感はますます深まり、突然の出来事に驚かされることが、これから増えていくような気がします。一人でも多くの意識ある人々の行動が、この地球を支えていくことになります。驕らず、恐れず、自らの存在意義を行動することで実感するように心がけましょう。

 

さて、本日は「恵比寿講(えびすこう)」についてお話ししたいと思います。恵比寿講は、主に商家などが商売繁盛を祝って、福徳の神である「恵比寿」を祭る法会です。「戎講」、「夷講」、「恵比須講」などと書かれることもあります。古くは旧暦1020日に行われることが多かったようですが、地方によっては1120日、正月10日、正月20日などと異なっています。現在では新暦1020日に行われることが多いようです。

 

昔から関東の商家では、1010日を七福神の一人である恵比寿を祭る日として祝い、各所の恵比寿様に参詣して福運を祈る風習がありました。家運隆盛や商売繁盛を願い、親類・知人を招いて大いに祝いました。

 

ご存知の通り、恵比寿は「七福神」のうちの一人です。七福神とは、恵比寿のほかに「大黒天」、「弁財天」、「毘沙門天」、「布袋」、「福禄寿」、「寿老人」がいます。この七福神が現在のような形で人々の間に定着したのは江戸時代中期、享和年間(18011803年)には今の顔ぶれに落ち着いたようです。

 

恵比寿は、海上・漁業・商売などの守護神で、古くから大黒天と並ぶ日本の代表的な福神とされてきました。七福神の中で、唯一純国産の神様で、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と伊弉舟尊(いざなみのみこと)との間に生まれた第三子「蛭子尊(ひるこのみこと)」と言われます。烏帽子に狩衣で、釣り竿と魚籠を持ち、鯛を抱えた姿で描かれています。

 

旧暦10月の「神無月」は、日本中の神様が出雲に出掛けていて、恵比寿だけが留守を守るために居残るので、置いてきぼりにされて気の毒な恵比寿を特別なお祭りで慰めようと始まったのが、この恵比寿講だとも言われています。

 

関東では、1020日の20をとって、「二十日えびす」と呼ばれ、関西では正月10日にこれをおこなうことから、「十日えびす」と言われています。また京都では、1020日に「誓文払い(せいもんばらい)」という行事があります。

 

東京日本橋の大伝馬町から小伝馬町をつなぐ通りでは、宝田の恵比寿神社で毎年1019日から20日にかけて、大根の浅漬けである「べったら」を売る「べったら市」が開催されています。約200店の浅漬け屋のほか、多くの夜店で賑わい、「くされ市」、「浅漬け市」とも呼ばれています。もともと、20日の恵比寿講に用いる品物や道具、浅漬けを売る恵比寿市でしたが、大根の浅漬けが飛ぶように売れたことから、いつしか「べったら市」と呼ばれるようになりました。

 

浅漬けは米ぬかに薄塩の大根、ナス、瓜などを漬けたもので、ふつうは大根の浅漬けを「べったら」と呼んでいます。江戸時代から、江戸では恵比寿信仰が盛んで、恵比寿講の前日の1019日から20日にかけて、塩鯛や野菜、道具や木彫りの恵比寿様などを売る市が立っていました。日本橋宝田の恵比寿神社では、干し大根を麹に漬けた浅漬けを売り出し、これを買った人は縄で縛ったまま持ち帰り、人混みの中では行き違う人の服などにその麹がべったりと付くことがあったことから、「べったり付いても知らないよ!」と掛け声を発しながら道を開けてもらうよう頼んでいたという話があります。こうして「べったら市」という言葉が誕生したとか。

 

「恵比寿講のなかにかかるや日本橋」

 

蕉門十哲の一人、森川許六〔明暦2年(1656年)~正徳5年(1715年)〕の句です。この句の「かかる」は、日本橋が「架かる」ことと、日本橋一帯が恵比寿講に「懸けて」商売繁盛していることの両方に懸けているようです。恵比寿講にかこつけて一儲けしようとする江戸商人のしたたかさを伺わせる句です。わずかの元手で多くの利益を得ることを「蝦(恵比)で鯛を釣る」と言いますが、この言葉は恵比寿講に由来するという説もあるようです。

 

高見澤

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このページは、東藝術倶楽部広報が2017年11月28日 11:24に書いたブログ記事です。

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