東藝術倶楽部瓦版 20180406:暴れん坊将軍-吉宗とその子、孫

 

おはようございます。最近、新聞紙上を賑わしている米中貿易摩擦ですが、あまりにもあからさまな関税合戦が繰り広げられる中で、その裏には何らかの取引があるのではないかと感じてしまうのは、私だけでしょうか。経済が経済だけで動かない国際関係、ますます複雑化する社会の仕組みに不安が広がっていきます。

 

さて、本日は「暴れん坊将軍」で有名な8代将軍・吉宗からみていきましょう。わずか8歳で夭折した7代将軍・家継の死により、家光の系統が途絶えたことは前回述べた通りです。そこで、宗家相続のために御三家の中から養子を迎え、その養子を次の将軍とすることになりました。次期将軍として白羽の矢が立ったのが、第5代紀伊藩主の徳川吉宗でした。徳川御三家については、また改めて紹介したいと思いますが、吉宗は紀伊藩第2代藩主・徳川光貞の4男として生まれました。宝永2年(1705年)に兄で3代藩主の綱教(つなのり)、その後を継いだ4代藩主・頼職(よりもと)が相次いで死去、第5代紀州藩主に就任します。藩主時代、藩政改革を実施し、藩財政の再建に手腕を発揮したといわれています。

 

享保元年(1716年)、家継の死により、御三家の一つ紀州藩の藩主であった吉宗が第8代将軍として迎えられました。吉宗は、紀州藩時代の藩政の経験を活かし、水野忠之を老中に任命して、増税と質素倹約による幕政改革を行います。新田開発の推進、公事方御定書(くじがたおさだめがき)の制定、大岡忠助の登用、目安箱や町火消しの設置、小石川療養所の建設など、大々的な政策変更、制度改革を行いました。これが世に言われる江戸三大改革の一つ、「享保の改革」です。吉宗は自らも質素倹約に努め、江戸時代を代表する名君の一人といわれていますが、庶民にまで倹約を強いたことから、経済や文化の発展は一時停滞したようです。尚、吉宗が暴れん坊将軍とされる理由ですが、何事も自分で率先してやらなければならない性格で、側近を困らせるような振る舞いが多かったという説、若い時分には手におえないほどの暴れん坊であったという説があります。延享2年(1745年)、吉宗は長男・家重に将軍職を譲ります。しかし言語不明瞭であったこともあり、吉宗は「大御所」として実権を握り続け、寛延4年(1751年)に亡くなりました。吉宗の次男の宗武、4男の宗尹(むねただ)から御三卿が生まれますが、これはまた別途ご説明しましょう。

 

延享2年に第9代将軍に就任した家重ですが、宝暦元年(寛延4年、1751年)まで吉宗が実権を握り続けることになりました。家重は、生まれつき言語不明瞭の障害があり、生来虚弱であったといわれています。また猿楽(能)を好んで文武を怠っていたため、父・吉宗や幕閣を悩ませていたようです。側用人制度を復活させ、田沼意次が旗本から加増されて1万石の大名に取り立てられたのも家重の時代です。家重が女性であったとの説もあるようですが、定かではありません。側近として家重を支えてきた側用人の大岡忠光が、宝暦10年(1760年)に死去すると、家重は長男・家治に将軍職を譲って大御所となりましたが、翌宝暦11年(1761年)に亡くなりました。

 

宝暦10年、第10代将軍となった家治は、幼少期から聡明であったことから、祖父・吉宗の期待を一心に受け寵愛されて育ったとされています。吉宗は死ぬまで家治に直接教育、指導を行いました。家治は、父・家重の遺言に従い、田沼意次を側用人として重用して、当初は老中・松平武元(まつだいらたけちか)らとともに政務に励みましたが、武本が死去すると意次を老中に任命、幕政を意次に任せ、自らは将棋などの趣味に没頭することが多くなったようです。安永8年(1779年)、家治の世子・家基が18歳の若さで急死、天明元年(1781年)に一橋家当主の徳川治済(とくがわはるさだ)の長男・豊千代(後の11代将軍・家斉)を家治の養子とします。天明6年(1786年)、家治は享年50歳にてこの世を去りました。

 

高見澤

2018年4月

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このページは、東藝術倶楽部広報が2018年4月 6日 07:30に書いたブログ記事です。

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