おはようございます。先週1週間、経済界の訪中団に随行して北京、浙江省杭州へ行ってきました。安倍/プーチン会談の陰に隠れてしまい、ニュースの話題としては大きく取り上げられませんでしたが、それでも昨年以上に良好な雰囲気での李克強首相との会見、政府機関との会議が行われました。軍事的にはきな臭い動きもあるようですが、経済関係は新たな発展段階に入ったといえるかもしれません。
さて、今回も前回に続き江戸町奉行所の治安部隊について紹介していきましょう。本日は、「高積(たかづみ)見廻り方与力」、「風烈(ふうれつ)廻り昼夜廻り与力」、「非常取締掛与力」について紹介したいと思います。
先ずは高積見回り方与力です。高積見廻り方とは、江戸市中の木材や荷物などの高積みの取締りを行った町奉行所の役職です。河岸や町場の商品や薪炭木材などの積み重ねの状況を調査して、高さ・広さ・体裁等の制限を指導し、危険防止や悪用防止の取締りを行っていました。常時江戸市中を巡回し、将軍外出の時には特に厳重な取締りを行ったようです。高積見廻り方与力の定員は南北奉行所それぞれ1騎、同心は2名でした。
次に風烈廻り昼夜廻り与力です。風烈廻り昼夜廻り方とは、風が強い日の火災予防や不穏分子の暗躍の取締りを行った町奉行所の役職で、常時町中を巡回していました。風烈廻り昼夜廻り与力の定員は、南北奉行所それぞれ2騎で、出勤時には継裃(つぎかみみしも)で、槍持、草履取、挟箱、中間を連れていました。巡回の際には同心をつけて交替で見廻りを行っていました。同心の定員は南北奉行所それぞれ4名で、こちらも交替で巡回していました。
そして、非常取締掛与力です。この役職は読んで字の如く、非常事件の事務処理を行ったものです。定員は南北奉行所それぞれ与力8騎、同心16名でした。
高見澤