東藝術倶楽部瓦版 20180926:小石川養生所の監督-「養生所見廻り方」

 

おはようございます。昨日から降り始めた雨ですが、昨晩は一旦止み、今朝は小降りとなっている東京都心です。少しずつ肌寒くなっているようですが、私にとってはそれでもまだ暑いような気がします。とはいえ、靖国神社近くの銀杏並木から銀杏が落ちている光景を見ると、秋を感じる今日この頃です。

 

さて、本日は「養生所見廻り方」について紹介したいと思います。養生所とは、享保7年(1722年)12月に、小石川薬草園(現在の小石川植物園)内に設置された無料の医療施設である「小石川養生所」のことを指します。この小石川養生所については、改めて紹介したいと思います。

 

小石川養生所の設置は、「享保の改革」の下層民対策として行われた福祉政策で、養生所の運営費用は勘定奉行所勝手掛から拠出されており、勘定奉行所から勝手方という出納役が出張してきていました。とはいえ、養生所の管理は江戸町奉行所に任されていたので、その勝手方を監督する必要がありました。ちなみに、養生所の医師については若年寄支配となっていました。

 

養生所見廻り方は、「養生所見廻り与力」が南北奉行所それぞれ1騎で、勝手方の監督・監視のほか、随時養生所の巡見を行っていました。与力の下には、「養生所見廻り同心」がおり、定員は南北奉行所それぞれ2名で、養生所内の詰所で、交替で勤務を行っていました。

 

高見澤

2021年1月

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このページは、東藝術倶楽部広報が2018年9月26日 07:08に書いたブログ記事です。

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