東藝術倶楽部瓦版 20210108:【江戸の町その56】将門所縁の津久戸明神-「築土神社」

おはようございます。コロナウイルス感染拡大を受け、首都圏の1都3県に緊急事態宣言が発せられました。中身のはっきりしない如何にもとってつけたような内容となっていますが、これで本当にコロナ収縮が叶うと思っているのでしょうか?それよりもコロナの正体が明確でないために、こうした措置が果たして正しいのかどうかも分かりません。国民に対していたずらに不安と恐怖を煽り、いざその対策となると科学的知見を無視するかのような政府の対応。何もかもがチグハグでお粗末に見えています。それを真面目に履行しようとする日本国民。何か間違っているように思えてなりません。

 

さて、本日は「築土神社(つくどじんじゃ)」について紹介しようと思います。現在の築土神社は東京都千代田区九段にある神社で、通称「築土明神(つくどみょうじん)」とも呼ばれています。一般に漢字表記の「築土」は「ちくど」と読まれることが多いのですが、この神社は「ちくど」と読まれます。主祭神は天津彦火邇邇杵尊(あまつひこほのににぎのみこと)で、平将門と菅原道真を配祀しています。

 

天慶3年(940年)、江戸の「津久戸(つくど)村」〔千代田区大手町辺り〕に平将門の首を祀り、塚を築いたことから、当初は「津久戸明神(つくどみょうじん)」として創建さらたのが築土神社の始まりとされています。室町時代に太田道灌が江戸城建築のために津久戸明神を田安郷〔現在の千代田区九段坂上〕に移転し、それ以降は「田安明神」とも呼ばれ、江戸時代には日枝神社た神田明神とともに「江戸三社」の一つに数えられることもあったそうです。元和2年(1616年)、江戸城の拡張工事により田安明神は築土八幡神社隣接地〔新宿区築土八幡町〕へ移り、これ以降「築土明神」との名で人々に親しまれていきます。この築土神社が現在の九段北に建てられたのは昭和29年(1954年)のことで、昭和20年(1945年)の東京大空襲で築土明神が全焼したからでした。

 

もともと津久戸明神は平将門を主祭神として創建され、将門の頭蓋骨や髪の毛が安置されていたとの記録もあるようですが、その真偽のほどは明らかではありません。しかし、数ある将門所縁の神社の中でも、特に将門信仰が厚く象徴的だったのがこの津久戸明神でした。将門が主祭神を外れ、天津彦火邇邇杵尊が主祭神となったのは明治7年(1874年)のことで、明治政府の教部省の指示によるものだそうです。

 

津久戸、あるいは築土の名称の由来については、いくつかの説があります。津久戸の「戸」は「門」を意味し、江戸氏の館の門名の一つで、その付近が津久戸村と呼ばれていたから津久戸明神と付けられたという説。また、将門の首塚の近くに土を盛って築いたから「築土」になったという説。そしてもともとは「江戸明神」と呼ばれていたものが、「江」の字を「次」の字と誤記され、「次戸(つぎど)」が「築土」に転嫁したと説などがあります。江戸時代の文献からは、築土八幡町に移転する以前は「津久戸」と記され、移転後は「築土」と記されていつことから、津久戸村説が有力だとされています。「築土」は「筑土」や「筑戸」と記されていることもあるようです。

実際に牛込周辺の高台を「筑土山」と呼んでいたこともあり、表記はさまざまな形で誤記されていたのかもしれません。ちなみに筑土山の名称の由来は、筑紫国宇佐(大分県宇佐市)から土を運んできて作られた山という話もありますが、これもまた信憑性には欠ける話かもしれません。

 

東京都内にある将門所縁の首塚や神社が北斗七星の形に配置されているとの話があります。これは、将門の怨霊の力を使って江戸の街を守護させるために、徳川幕府と天海大僧正が作り上げた結界、あるいは魔法陣だとも言われています。こんな都市伝説を頭の片隅におきつつ、将門所縁の場所を歩いてみるもの面白いかもしれません。

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このページは、システム管理者が2021年1月 8日 09:00に書いたブログ記事です。

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