東藝術倶楽部瓦版 20160802 :江戸の料理革命-米糠の使い道

 

おはようございます。

今朝の東京は土砂降り、少し歩いただけでもびしょ濡れでした。今は大分降りも弱くなっていますが、また後で昼前からぶり返すようです。

不安定な天気が続きます。雷や竜巻などの突風も発生しやすいので、気を付けましょう。

 

本日は、昨日話題に出た「江戸わずらい(脚気)」と糠について少し掘り下げてみましょう。

玄米に豊富に含まれるビタミンB群、なかでもビタミンB1が不足すると、足のだるさ、食欲不振、手足のしびれ、動悸、息切れ、そして最後には心不全で命を落とすことにもつながりかねません。江戸では、庶民の間でも白米を食べる習慣が広まっていたために、脚気を患う人が多かったようです。

犬公方で有名な徳川5代将軍・綱吉も、将軍になる前の館林藩主の時代に脚気に罹り、練馬村の下屋敷にしばらく逗留し、糠漬けの沢庵を食べるようになったら、脚気が治ったというエピソードがあります。一方、13代将軍・家定と14代将軍・家茂は、二人とも若くして死にますが、その死因は脚気だったとの説がありますが...欧米諸国が日本に入り込み、倒幕と維新に向けて日本中が動き出す陰謀渦巻く中での若き将軍の死、さてその真相は如何に?

 

ところでこの米糠ですが、現代の白米のレベルですと、玄米の重さの約1割程度になります。一斗で約一升の糠が出る計算になります。これをこのまま捨てるにはもったいない。そこで、糠漬けが登場することになったのは、以前にも紹介した通りです。糠漬けを食べやすい白米と一緒に食べることで、栄養のバランスが保てることになるのです。ちなみにこのビタミンB群は、水溶性であるのと同時に熱にも強いので、玄米を炊いてもビタミンCのように分解されることはありません。ビタミンCB群と同じ水溶性ですが、熱に弱いという弱点があります。

 

この米糠、糠漬け以外にもいろいろな用途があります。お風呂に入るときに、石鹸代わりに糠を袋に入れて擦る「糠袋」、煮た大豆に麹、塩、米糠、水を加えて発酵させたものを味噌汁仕立てにした「糠味噌汁」というのもあります。糠袋は油分が含まれているので、床などのワックスがけにも利用できます。また、チャーハンや雑炊、カレー、コロッケなどに加えてもいいかもしれません。さらには、米糠パック、米糠風呂、洗顔など美容にも役立ちますし、有機肥料としても使えます。捨てるところなど一切ありません。

 

ただ注意しなければならないことは、栄養素が溜まりやすいということは、農薬などの化学物質や重金属も溜まりやすいので、やはり無農薬、低農薬のものを使うことをお勧めします。

 

高見澤

2021年1月

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このページは、東藝術倶楽部広報が2016年8月 2日 13:19に書いたブログ記事です。

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