東藝術倶楽部瓦版 20160523 :水をめぐる古代の知恵

 

おはようございます。

土曜日に降っていた雨も夜のうちに止み、昨日はとても気持ちのよい朝でした。朝方近所を散歩し、午後からは家族と一緒に近くの御殿山庭園に行き、都会では珍しい緑の中を歩きました。浮世絵にも花見などで描かれているところですが、今の季節はツツジが咲き、アジサイが色を付け始めていました。

四季を感じられる日本の良さをしみじみと感じました。

 

4年間駐在した北京では、春と秋はほんの一瞬です。極端に言えば、「昨日まで暖房が必要だったのに、今日からは冷房が必要だ」というくらい、季節が極端に変化します。

3月終わりごろから4月初めにかけて、柳の種を含んだ「柳絮」と呼ばれる綿毛が街中一面に飛び回ります。これが春の到来を告げる風物なのですが、この春の時期は2週間もありません。気温はすぐに上昇し、もう4月中旬には暑くなってしまいます。もちろん梅雨などありませんし、降水量は600ミリ足らずで、東京の1,500ミリ前後とくらべれば、かなり少ないことが分かります。そして、本格的な夏になると気温は40℃を超える日もあります。

 

このように比較すれば、北京では、平均的に雨はほとんど降らないことが分かりますが、ここ数年は亜熱帯でのスコールのような局地的な大雨に見舞われることが増えてきました。排水機能が講じられていない北京では、大雨による道路の冠水で人が溺死することもあり、今中国では「スポンジシティ」と呼ばれる、雨水を吸収し溜めておき、いざというときにその水を利用する機能を備えた都市の建設に向け動き出しているところもあります。

 

東京でも1時間に50ミリを超える大雨になると、土地の低いところでは冠水し、地下鉄の駅などに水が流れ込むことがあります。しかし、基本的に水不足で困ることはありません。北京では、水が少ないうえに、水質汚染などで水不足になることがよくあります。

駐在中に、マンションの水道からの水の出が悪く、水不足で水圧が抑えられているんだな、と思ったときがありましたが、これは私の勘違いで、蛇口のフィルターがただ詰まってだけでした。北京の水道水は日本と違ってミネラルが多い硬水です。蛇口のフィルターも詰まりやすくなるのは当然ですね。

 

一方で、中国南部では毎年洪水によって多くの被害が出ています。その余り過ぎる水を不足している北部に運河を建設して持っていこうという「南水北調」の一大プロジェクトも進められています。

水の量、水質ともに日本と大きく異なる中国ですが、この水をめぐる古代の知恵には驚かされるものが多くあります。それをこれから少しずつ紹介できればと思います。

 

高見澤

2021年1月

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このページは、東藝術倶楽部広報が2016年5月23日 11:57に書いたブログ記事です。

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