爆買いと「おもてなし」

 

おはようございます。

大型連休も終わり、次の祝日は718日の「海の日」までありません。とはいえ、働きすぎは身体によくありません。さまざまな原因により、今の日本人は抵抗力、免疫力が極端に落ちていますので、適度に休みをとり、心身ともにリフレッシュすることをお勧めします。

 

さて、先週は主に「モノづくり」についてお話しましたが、本日は日本のもう一つのビジネススタイルである「おもてなし」について、ご説明したいと思います。

 

ここ一、二年ほど、中国から多くの人が観光や日本製品を求めて日本を訪れています。いわゆる「爆買い」です。すでに中国語としても「爆買(baomai)」の新しい単語が定着するほどです。もちろん中国でも日本製品は価格がかなり高いですが売られています。それでも、わざわざ旅行代金を支払って日本で買うよりは、安いはずです。それなのに、なぜ中国人はわざわざ日本に来て日本製品を買い求めるのでしょうか?

 

一つは表向きの日中関係が改善しているように見えること、二つには日本での観光のついでに大量の「まとめ買い」ができること、三つ目は円安によって人民元建ての値段が安くなったこと、四つ目は日本の店舗で買う製品にまがい物がなく、信頼して本物の商品を手に入れることができること、そして五つ目に日本の売り場の店員の接客態度が丁寧で気持ち良く買い物ができるということです。特に大事なのは四つ目と五つ目で、お店にとってリピーターを増やす極意がここにあるのです。

 

中国のデパートで買い物をしたり、レストランで食事をしたりした方もいらっしゃるとは思いますが、店員やウエイトレスの態度に不愉快な思いをした経験は少なからずあると思います。売る気があるのかないのか、客を客とも思わない態度や表情で機械的に対応する者、逆に売り上げを上げようと必要以上につきまとう者など、極端な二つの面で買い物や食事する意欲が失われます。

 

普段からそのような状態で買い物や食事をしていた中国人が、一度日本に来て、笑顔で丁寧に接客されたらどう感じるでしょうか? またそこに来たいと思うのは、国や民族に関係なく、人としての当たり前の心理ではないでしょうか。

 

最近は、欧米思想、欧米教育の影響で、本来の「おもてなし」の精神はかなり薄れているように思えますが、もともと「おもてなし」の精神が根付いていないところから来れば、それでも今の日本には多少なりとも残っている「おもてなし」の精神に感動してしまうのです。そして、この「おもてなし」の精神も、実は江戸と大きなかかわりがあるのです。この続きは、次回に致しましょう。

 

高見澤

2016.5.9

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このブログ記事について

このページは、東藝術倶楽部広報が2016年5月 9日 16:14に書いたブログ記事です。

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