おはようございます。暑い日が続きます。身体がまだ夏の暑さに慣れていないので、体調を崩さないよう、こまめに水分補給するなどの体調管理が大切です。それでなくとも、放射能や化学製品によって抵抗力が極端に低下していますので、ご注意ください。
さて、本日も如月の年中行事についてご紹介したいと思います。テーマは「年内立春」です。「立春(正月節気)」については、本メルマガで何度も登場しているので、細かくは説明しませんが、旧暦の1日は必ず朔(新月)に当る一方、立春は朔に関係なく定められるため、ほとんどの年は立春と元日が重なりません。それでも約30年に一度は重なる年があり、それを「朔旦立春(さくたんりっしゅん)」と呼びます。
以前、既に説明したかもしれませんが、旧暦において「正月」とは二十四節気の「雨水(正月中気)」を含む月とされています。二十四節気と暦は毎年少しずつずれていくため、雨水の前の立春が前年の12月になってしまうことがしばしばあります。これを「年内立春」と言います。『古今和歌集』に、「年の内に春は来にけり、一年を去年(こぞ)とやいはむ、今年とやいはむ」と在原元方(ありわらのもとかた)の歌がありますが、これは年内立春の戸惑いを詠んだものとされています。
こうなると、年によっては立春が2回あることがあり、逆に立春がない年も発生します。立春がない年を「盲年」と呼び、結婚を忌み嫌う風習があります。逆に朔旦立春の年は非常に縁起の良い年とされています。近いところでは、盲年は2019年、2021年で、朔旦立春は2038年頃とのことです。
年内立春は決して珍しい現象ではありません。いずれも旧暦ですが(新暦ではいずれも2月4日)、2017年は12月19日、2018年は12月30日がそれぞれ年内立春になり、2017年は1月8日も立春であったため、年2回立春がある年になります。2018年12月30日の後は2020年1月11日ですから、2019年は盲年になるわけです。
「春や来し年や行きけん小晦日(こつごもり)」と芭蕉の句があります。旧暦において月末(みそか)は月が籠もる日ということで、「晦(つごもり)」と呼ばれていました。年末は特に「大晦日(おおつごもり)」と言われ、その前日が「小晦日」でした。この句が作成された寛文2年(1662年)は12月29日が立春でした。
高見澤