東藝術倶楽部瓦版 20171214:十二月には泡雪降ると知らねかも、梅の花咲く含めらずしてー「師走」

 

おはようございます。相変わらず寒い日が続きます。会員の皆様は風邪などで寝込むことはりませんか? 私自身、ここ何年も熱を出して寝込むことがなくなりました。以前は毎年1回は38℃以上の熱を出して寝込んでいたのですが...。身体の中に大分不純物が溜まっている感じがして、そろそろ熱を出して身体のデドックスをしなければと思うのですが、中々思うようにいきません。

 

さて、本日からは12月の年中行事に移りたいと思います。旧暦12月の和風月名はご存知の通り「師走(しわす)」です。やっと、本メルマガのテーマが季節に追い付くことができました。ただ、師走の年中行事では紹介したいテーマがたくさんあるので、このシリーズが終わる頃には、また年を越してしまいます。

 

『日本書紀』では、「十有二月」或いは「季冬」と書かれていて、これに「シハス」と読ませています。「季冬」とは、今では「キトウ」と読み、「初冬(孟冬)」(10月)、「仲冬」(11月)に続く「三冬」の末月という意味で、「晩冬」とも呼ばれる12月を表す言葉です。

 

また、『万葉集』には、12月を詠み込んだ歌が一種あります。

「十二月には泡雪降ると知らねかも、梅の花咲く含(ふふ)めらずして」紀女郎(きのいらつめ)

音数律からみて、「シハス」と読むのが妥当だと思われます。

 

シハスの語源については諸説あります。よく知られているのは、師(僧侶、法師)が経をあげるのに奔走する月なので「師馳(シハス)」とするものです(『二中歴』)。また、12月は1年の終わりであることから、皆が忙しく、師匠といえども趨走(すうそう、ちょこちょこ走ること)するので、「師趨(シスウ)」となり、これが「シハス」になったとする説です(『下学集』)。こうした説が転じて、現代では教師が忙しい月とも解釈されたりします。

この他にも、四季の果てる月として「四極(シハス)」、1年の終わりの月として「年果つる(トシハスル」、「トシハツル」という意味とする説もあります(『東雅』)。

 

高見澤

 

 

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このページは、東藝術倶楽部広報が2017年12月14日 10:45に書いたブログ記事です。

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