おはようございます。今朝の東京都心は、積雪が予想されてはいましたが、幹線道路沿いでは積もることもなく、車の走行には特段問題はなさそうです。ただ、一部日陰で前回の雪がまだ残っている細道や急坂などではシャーベット状になっていますので、気を付けてください。
さて、本日は「お宮参り」について紹介していきたいと思います。お宮参りは、「宮参り」、「初宮参り」、「寺参り」、「産明け」、「産土(うぶすな)参り」などとも呼ばれており、子供が生まれて初めて産土神(うぶすながみ)に参詣し、数珠をいただくなどして、子供の長寿と健康を祈る行事です。
一般的には男子ならば生後31日目、女子ならば33日目に行うのが通例ですが、地方によっては7日目から100日目まで様々です。ただ、多くの神社では、あまり日数に捉われずに、天気が良く暖かい日に参詣を促しています。ところで、多くが31日目、33日目に行われるのには理由があり、この頃になって産婦の「産(うぶ)の忌(いみ)」が明けるものとされているからです。それまでは、産婦は産土神(氏神)との対面が許されないことになっていました。
お宮参りには、我が子を氏子として認めてもらうという意味もあるので、氏神の前でわざと子供をつねって泣かせたりする風習もあるようです。また、地方によっては、お宮参りの帰りに他家へ立ち寄る習わしがあるところもあります。
産後に神様に挨拶する行事は古くからあるようで、「産土詣」と言われていました。これが現在のようにお宮参りの形になり一般化されたのは室町時代だと言われています。江戸時代、四代将軍徳川家綱の頃に、お宮参りの帰途に大老宅へ挨拶に寄る風習が起きたとされています。その後、この武家社会の習わしが庶民の間にも広まり、おめでたい家庭の歳時として親類や知人宅へお宮参りの報告と挨拶に出向く習慣が普及していったようです。
お宮参りには、母親の実家から贈られた祝い着を着せて、父方の母親(祖母)が抱いて参拝するのが習わしだそうですが、氏神への信仰や忌明けの行事というよりは、我が子の幸福を願う両親の気持ちとして行われるようになった今日、そのような風習に拘らない人が増えています。
高見澤