おはようございます。2月もあっという間に月末となってしまいました。つい先日正月を迎えたかと思ったのに、今年もすでに2カ月が経ってしまいました。月日の過ぎる不可思議さを、今もって感じています。
さて、本日はいよいよ「江戸城の門」についてご紹介していきたいと思います。一般に日本の城は城壁や濠に囲まれ、城へは城門から出入りします。城が広ければ広いほど、城門の数も増えていくことになります。中国では町全体が城壁で囲まれていましたので、都市のことを「城市」と言います。東西南北にそれぞれ城門を設け、東門、西門、南門、北門と称していることが多いようです。
もちろん江戸城にもたくさんの門がありました。江戸城は外濠と内濠に囲まれていましたので、外郭、内郭それぞれに門があり、また城内にも数多くの門がありました。時代とともに焼失したり、再建したりしていましたので、櫓と同じように時期によって門の数も異なっていたものと思われます。
一般に、かつて江戸城には外郭に25棟、内郭に11棟、城内(本丸、二の丸、三の丸、西の丸)に87棟あったと言われていますが、そのうち現存しているのは11棟となっています。郭の出入り口、城門のことを「虎口(こぐち)」と呼びます。もともとは狭い出入り口といことから「小口」と表していましたが、敵を撃退する重要な場所であることから「虎」の字が使われるようになりました。
江戸城の各門の形は、第一の門と第二の門の中間に四角形の広場が設けられています。その二つの門に囲まれた広場がちょうど枡の形になっているので、これを「枡形城門」と呼んでいます。この門は、敵が攻め込んできたときなど、戦略上に有利な立体的な形となっており、外側に面している門を「高麗門(こうらいもん)」、内側にある門を「渡櫓門(わたりやぐらもん)」と呼んでいます。枡形門にも二種類あり、枡形が郭の塁線より内側になっているものを「内枡形」、外側に張り出した形になっているものを「外枡形」といいます。江戸城の各門はいずれも内枡形になっています。3月3日の勉強会で、実際にその形を確かめてみましょう。
現存する江戸城の門については、勉強会の際にすべて見学する予定です。①平川門、②北桔梗門(きたはねばしもん)、③清水門、④田安門、⑤乾門、⑥半蔵門、⑦桜田門(外桜田門)、⑧皇居正門(西の丸大手門)、⑨坂下門、⑩桔梗門(内桜田門)、⑪大手門です。このうち、実際に中に入ることができるのは①平川門、②北桔梗門、③清水門、④田安門、⑦桜田門、⑧大手門です。
⑤乾門は明治になってから設けられた皇居への通用門です。⑥半蔵門は、天皇や皇族が日常出入りする際に使う門です。⑧皇居正門は言わずもがな皇居に直結する門で、皇居参賀の際にはここから入城するようです。⑨坂下門は宮内庁への通用門、⑪桔梗門は皇居参観者や勤労奉仕者が出入りする門です。
それぞれの門の具体的な説明は、勉強会当日のお楽しみとさせてください。
高見澤