おはようございます。昨晩から降っていた雨も、明け方には止んで、少し湿り気のある朝の澄んだ空気の中を歩いてきました。寒さを感じることもありますが、私にとっては比較的過ごしやすい季節です。
さて、本日は「火事場見廻役(かじばみまわりやく)」について紹介したいと思います。火事場見廻役は、本来は幕府の役職で紹介すべきところでしたが、実際の消火活動の指揮や監察をしていたこともあり、ここで取り上げたいと思います。
火事場見廻役が設置されたのは享保7年(1722年)で、寄合席の旗本から任命されていました。当初10名であったのが、その後、本所深川の2名が追加され、12名でその任にあたっていました。その任務は、江戸に火災が発生した時に、風下の万石以上の邸宅の巡視と警戒、消防の指揮と監察、鎮火後の視察や報告などでした。今でいう、火事場の現場検証なども火事場見廻役の重要な任務でした。
火災が発生すると、火事場見廻役は、繰り出す人員や火消の増強を決め、直接、消口の指揮にあたり、火消たちの進退を左右するほどの権限を与えられていたといわれています。しかし、その役高は持高であったことから、御役ではなく御奉公であった感が強かったと思われます。
高見澤