東藝術倶楽部瓦版 20200828:【江戸の町その13】風の神雷門に居候-「浅草寺」(下)

おはようございます。暑い日が続きます。暦の上では処暑ですから、暑さが残るのは分かるのですが、それにしても異常な蒸し暑さです。この暑さも、急に寒さに変わる日がくるのかもしれません。四季折々の季節を感じることのできた日本の気候も、変わりつつあるように思えます。地球の憤りを感じざるを得ません。

 

さて、本日も浅草寺について紹介を続けていきたいと思います。浅草寺の境内には、多くの見どころがあります。

 

浅草寺の表参道の入口にある山門は、皆さんもご存知の「雷門(かみなりもん)」です。正式には「風雷神門(ふうらいじんもん)」という名称です。この門に掲げられた大きな提灯の表側には「雷門」と書かれていますが、裏側には正式名称の「風雷神門」と書かれています。この門は朱塗りの切妻造の八脚門で、向かって右の間に風神像、左の間に雷神像が安置されています。門の中央には高さ3.9メートル、直径3.3メートル、重さ約700キログラムの提灯が吊り下げられています。

 

天慶4年(941年)、安房国の太守・平公雅(たいらのきみまさ/きんまさ)が武蔵国への配置換えを祈願し、翌天慶5年(942年)にその願いが叶い、天下泰平と五穀豊穣を願って寄進をした頃に、雷門に相当する門が建てられたとされています。「風の神雷門に居候」。江戸時代の川柳に詠まれていますが、浅草寺の山門がいつ頃から雷門と呼ばれるようになったのかはよく分かりません。寛政7年(1795年)に雷門と書かれた提灯が屋根職人らによって初めて奉納されたと伝えられています。

 

雷門はたびたび火災により焼失しており、江戸時代だけでも2度建て替えられています。慶応元年(1865年)の火災で焼失後は仮設の門が時折建てられていましたが、常設の門が建てられたのは昭和35年(1960年)になってからです。パナソニックの創始者である松下幸之助が病気平癒の報恩のために寄進したもので、鉄筋コンクリート造のものとなっています。

雷門を入ると、「宝蔵門(ほうぞうもん)」に至るまで「仲見世通り(なかみせどおり)」が続きます。これが浅草寺の表参道で、長さは約250メートル、両側には土産物や食べ物を売る商店が立ち並んでします。仲見世の成り立ちについては、前回紹介したので省略します。

 

仲見世通りを抜けた先にあるのが「宝蔵門」です。門の左右に金剛力士像(仁王像)を安置していたことから、かつては「仁王門」と呼ばれていました。2体の金剛力士像の向かって左(西)側が阿形(あぎょう)像、右(東)側が吽形(うんぎょう)像となっています。門の背面左右には、魔除けの意味をもつ巨大なわらじが吊り下げられています。

 

浅草寺の本尊の聖観音像を安置しているのが「本堂」で、「観音堂」とも呼ばれています。旧堂は慶安2年(1649年)の再建で国宝に指定されていましたが、昭和20年(1945年)の東京大空襲で焼失、現在の本堂は昭和33年(1958年)に再建された鉄筋コンクリート造のものです。

 

五重塔は、もともとは天慶5年(942年)に平公雅が建立した三重塔であったと言われています。焼失を繰り返した後に、慶安元年(1648年)に五重塔として建立され、本堂と同様に東京大空襲で焼失、現在のものは昭和48年(1973年)に再建されたものです。

 

東京大空襲でも焼失せず、焼け残ったのが本堂の東向きに建つ「二天門(にてんもん)」です。門の左右に四天王の「持国天」と「増長天」が安置されている切妻造の八脚門です。この門は、本来は浅草寺境内にあった東照宮への門として、元和4年(1618年)に建てられたものですが、東照宮は寛永19年(1642年)に焼失後、再建はされていません。

 

このほかにも多くの見どころがありますが、キリがないので、この辺りで紹介を終わりにしたいと思います。

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このページは、東藝術倶楽部広報が2020年8月28日 08:47に書いたブログ記事です。

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